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みなさん冬論題お疲れ様でした。

結果から先に言うと、AチームBチーム共2勝2敗。第4試合で同士討ちがあったので、そこでの結果によっては3勝1敗と1勝3敗になっていた可能性もあります。
ちなみにでら先輩が立論でベストディベーター賞受賞。おめでとうございます。

この約3ヶ月間を振り返ると、入班→全国大会までの3ヶ月よりもずいぶん短かったように感じます。修学旅行などなど‥で準備時間や練習時間があまりとれなかったことも関係していると思われますが、全体的にモチベーションが上がりきらなかった感があります。反省点の一つかもしれません。

○内容についての振り返り○

準備段階では、肯定側のほうがやりやすかったように思います。
肯定側の方針としては、原発事故→被害、という流れがありました。よっぽどひどい議論をしない限り、原発事故の被害の大きさが反証されることはないので、肯定側としては事故の確率が高いことをどうにかして論証すればよいわけです。
試合をしてみると、どこの学校もほとんど例外なく、肯定側は事故の話をメリットとしてあげてきました。しかし、膳所高校と、大部分の他の学校で、事故の起きやすさを立証するための方針が全く異なりました。

前者は、そもそも事故を防ぐことは不可能である、と言い切ってしまうもの。詳しく説明すると、想定外のトラブル=今まで起きないと思われていたトラブルが発生するが、「起きないと思われていた」のだから対策はされていない。よって、想定外のトラブルからいつ大事故につながるか分からず、それを事前の対策で防ぐことは不可能だ、というものです。
結果的に、この立論は実戦ではあまり強さがありませんでした。原因は二点あると考えています。
一点目に、この立論の構造自体が、反駁→再反駁の流れを念頭に置いて作られていたということが挙げられます。この立論を額面通り受け入れると、想定外→事故、あっそう、という感じで終わってしまうだけ、大変弱い立論なのです。事故の起きる確率については全く言及していませんから。そこで、「対策がされている」などの反駁に対して、「想定がなければ対策はされないから、想定外のトラブルに対策は無理」、「(資料付きで)事故確率は低い」→「事故確率は予測できる範囲でしかない。実際に、100万年に1度しか起きないといわれていた事故が発生している(スリーマイル島事故)」と返していくことで、肉付けを図ろうと考えました。しかし、この作戦は上手くいきませんでした。実際、相手は思い通りの反駁をしてくれるわけではないようです。ある先生が「立論は最強の議論でなければならない。反駁のために資料を使わず取っておくようなことはしない方が良い」とおっしゃっていましたが、これは確かに的を射た指摘だと感じます。完全には無理でも、肯定/否定側で言いたいことをなるべく立論に集約しなければならないのかと思います。
二点目に、この立論が、事故が起きる確率を「高い」とは全く言い切っていなかったことが挙げられます。言ってみれば単に「低くないかもしれない。わからない」と完全に「不明」にしてしまっただけであり、「○○だから●●という事故が起きます」とは説明できていませんでした。今回のジャッジの皆さんはわれわれが予想していたよりも事故確率を低めに取られていて、確率が「わからない」としか言っていないわれわれの立論ではlim事故確率→0にされてしまいました。つまり、メリットの大きさは限りなく0に近くなりました。結果的にはこれが最大の敗因であると考えています。
後者は、何か一つのリスク因子(地震という場合が多い)に焦点を当て、そこから事故が発生することを立証するものです。「地震で配管が壊れてメルトダウン」など、具体的に狭い範囲の事故を取り上げ、それが起きることを立証しようとするもの。具体性はありますが、直接反駁が効きやすく、実際に先ほどの地震の例でも、資料を用いた反駁が効いていました。このタイプの立論でも、事故確率の高さを立証するのは困難であったように思われます。

次に否定側の議論に移ります。
なぜ準備段階で否定側はやりにくかったのでしょうか。
大きな問題として、否定側のメリットはCO2とそれに付随する問題か、電力の供給危機のどちらかしかありません。
膳所高校は後者をとりました(後述)が、試合では前者を取っている学校も多くありました。ただし、「それに付随する問題」の部分がどちらかというと主になっていました。
膳所高校は、敷地の問題で代替発電は無理→首都圏が電力不足、という流れで立論を組み立てました。
ただ、この立論には事前に予想できた致命的な弱点があります。
立論の流れを大まかに説明すると、
(前提として)原発が一か所止まっただけで電力不足になった実例あり(2003、柏崎刈羽)→現状の発電能力を維持しなければ停電+代替は火力(資料つきの立証あり)
計算上、代替には最低でも甲子園の100倍の面積が必要+火力発電所は海岸沿いにしか建てられない
→海岸沿いだけで甲子園の100倍の面積は無理
まず、海岸沿いにどれくらいの面積があって、甲子園の100倍と比較してどれくらい足りないのか、ということの議論がないので、論理の飛躍を伴わないと成り立たないような立論になっています。
しかし、不思議なことに、ここを突いてきたチームはなく、ジャッジさんもすんなり(?)と受け入れてくださった感があります。われわれと一般論とのズレがあったのでしょうか。
ただ、また別のところが致命傷となりました。前提で、「現状の発電能力を維持しなければ停電」ということを述べていますが、この前提が資料付きで攻撃されたのです。相手は火力発電所の年間設備利用率が5割以下で、原発をすべて代替しても7割程度、という資料を出してきました。ただ、それとほぼ同じことを述べている資料をこちらも知っていたので、それに対する返しはできているつもりでした。
第一に、5割以下という主張は「年平均」であり、季節による変動が見込まれていないということです。当然、発電能力というのはもっとも電力需要の大きくなる時期でも対応できないと駄目ですから、年間で平均すれば設備利用率がそれなりに低く見えるのは当然と言えます。
第二に、実際に原発が止まって停電しそうになった事例もあることだから…
しかし、判定によれば、敗因の一つは「実例は突然起きたため準備ができていなかったが、プラン導入は事前に予期できる。よって、それまでに対策をすることは可能」ととらえられた(判定には含めていないとおっしゃっていたような気がします。もっと別の理由があったのかもしれません)ことであったようです。よって「火力で十分代替可能」というのがジャッジさんの共通認識になっていたと。
停電が起きなければデメリットは0ですから、当然ながらデメリットの大きさはほぼ0。本当にありがとうございました。
否定側の敗戦の具体的な原因(と考えられること)は以上です。

準備段階としては、練習試合をしなかったことが大きな痛手になっていると思います。
作った議論が本当に勝てるのか、試合でどのように受け取られるのか、ということは、実際に試合をしてみないとわからないのでしょう。実際のところ、今回の議論は準備段階の予想とは大きく外れた受け取られ方をしました。
当然「場慣れ」にもなりますから、練習試合は積極的にした方がよいのかな、と、個人的には思います。

以上でまとめを終わります。冬論題で得た教訓を夏に生かしましょう。それでは皆さん、良いお年を。
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2009.12.21 21:01 | 未分類 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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